モデル都市について

愛情主義と我欲主義

人は誰もが幸せになりたいと願っています。
人類は長い間ずっと幸福を追求してきました。
聖人たちは人道を説き、数々の宗教が興り、 人々の幸せを実現しようと働きかけてきました。
科学の分野でも、目覚ましい発展を遂げ、 私達の暮らしは大変豊かになってきました。
しかし、嘘や騙し合い、いつ果てるともない戦争、残虐な大量殺人、
醜い争いに満ちた歴史と世界を見る時、 とても幸せを求める人間の美しい姿を見出すことはできません。
宗教や科学の進歩が人間の幸福の根拠になっていない現実を 突きつけられています。
では、なぜこのような世界になってしまったのでしょうか。

問題は、愛情主義か我欲主義か、 この2つの考え方に起因しています。

愛情主義とは、 自分を犠牲にしてでも他者を幸せにしたいという考え方です。
我欲主義とは、 自分の幸福のためなら他者を犠牲にしても構わないという考え方です。
簡単に言うと、 自分さえ良ければ周りなどどうでもいいという思考です。

人間とは、人と人の間を指します。
人は一人では生きられません。
私達は、人と人との関わりの中で生きています。
もっとも大切な事は、どのような価値観で人との関係を築くかです。
我欲主体の考え方か、愛情主体の考え方か、 大きくこの2つに分類できます。

本来、結婚とはとても喜ばしいものですが、 自分が幸せになるために結婚するのか、
相手を幸せにしたいから結婚するのかで その後の人生は大きく変わります。
愛情主義者は、相手が幸せであることを自らの幸福と捉えます。
我欲主義者は、相手がどうでもまず自分の幸せが保証されなければならないと考えます。

結婚は新たな生命を生み出す大切な局面です。
男性単独でも、女性単独でも、生命を生み出す事はできません。
男女の在り方の基本が、我欲にあるのか、愛情にあるのかで 同じ誕生でも、
産まれた子供の人生そのものが大きく変わります。
その実証として、 凶悪犯のルーツを調べた時、複雑な家庭環境で育ち、
愛情を十分に受けて来なかった人生が浮かび上がります。

幼い頃からたくさんの愛を受けて育つかどうかは、 子供の人格形成に大変な影響を及ぼします。
我欲主体の自己中心的な人間関係から生まれたのか、 相手を幸せにしようという愛情主義から生まれたのか、
この違いは、誕生のみならず、 その人の生涯に大きな影響を与えます。
誕生と結婚は切り離すことができません。
結婚し、子供が産まれて、家庭ができます。
誕生の前提となる結婚の在るべき姿が問われます。
どこまでも相手の幸せの為に存在しようとする愛情主義価値観が求められます。

老後も、愛情主義で生きるか、我欲主義で生きるかで、 人生の最期をどう迎えるのかが大きく変わります。
愛情主義で生きて来た人は、人生で多くの人に良い影響を与えて来た結果として
最期まで周囲から大切にされます。
我欲主義で生きてきた人は、寂しい老後を強いられても致し方ありません。
また、老後のお世話をしてくれる人や施設が、 我欲主義か愛情主義かでも、人生の締めくくり方が大きく変わります。

家庭の問題に限らず、社会や国家の関係も同じです。
全ての運命を決める要は、 物事の根底が我欲を根拠になされたのか、 愛情を根拠になされたのかに帰結します。

愛情は「与える」性質を持つのに対し、 我欲は「奪う」性質を持っています。
自分の国さえ豊かになれば他国はどうでもいいという 世界的我欲主義が、侵略や戦争を作り出しています。
しかし、かつて立派な文明を築いた国々の栄枯盛衰の歴史を見ると
我欲的な生き方をすると結局は自分を滅ぼすことになると結論できます。
一方、与えることを喜びとする愛情主義の生き方は 結果的に全てを生かすことになり、永続的繁栄が可能です。

世の中を変えるためには、 まず、物事の根底が我欲主義か愛情主義かを見分ける必要があります。
我欲主義によって生み出されたものを 愛情主義で作り変えていくことで、
あらゆる問題は自動的に解決に向かうことは間違いありません。

社会は家庭の集まりです。
社会全体を愛情主義に切り替えるためには、 まず、家庭を愛情主義で築かなくてはなりません。
家庭は個人の集まりです。
ですから、結婚も誕生も、その後の子育ても、 愛情主義で生きる人間を育てることを目的とします。
人々の生活環境として、 愛情主義で生きる人間が育つための社会制度が必要です。

このような考え方で、愛情主義モデル施設を運営してきた結果、 予想以上の成果を得られました。
愛情主義で作り上げる制度に無限の可能性を感じ、 あらゆる社会問題を解決に導く自信を深めています。
その成功を土台として、 いよいよ都市レベルでの挑戦を開始しました。
まずは、コンピューター上にバーチャルシティを建設します。
愛情主義で作り上げる社会制度や食衣住の在り方の基礎は 既に確立されています。
愛情主義モデル都市とは、
我欲を克服し愛情を中心に生きる人々が個々の個性を最大限に発揮しながら
国家が抱える諸問題の効果的な解決策を国家に提示し、
より良い日本を作り上げることを目指す都市です。

ご関心の有る方は、ぜひ助け合い主義をご研究下さい。
その上で、このモデル都市建設に価値を見出された有志は ぜひ、モデル都市建設にご参加下さい。